Saturday 15 September 2012

製材加工とバイオマス発電複合施設 塩尻に国内有数のプロジェクト

長野県や塩尻市、征矢野(そやの)建材(松本市)などは14日、塩尻市片丘の山林に国内有数規模の製材加工施設とバイオマス発電施設を組み合わせた林業活 用の複合施設を建設する「信州F・POWERプロジェクト」を発表した。現在の県内原木生産量の30万立方メートルに相当する木材を製材と発電に使用する 意欲的な計画で、総事業費は約70億円。平成27年の稼働開始を目指す。

 施設建設を予定する山林は、同市が大学誘致のために取得した18ヘクタールのアカマツ林。征矢野建材が市から土地を借りて製材加工施設と全国初の国内森 林資源活用型バイオマス発電施設を建設する。発電施設から出る余熱は、市が事業主体となって周辺地域の高齢者福祉施設などの冷暖房、ハウス栽培などの農業 に活用し、県内に豊富な林業資源を無駄なく活用する。

 また県木材協同組合連合会や県森林組合連合会が原木の供給をサポート。県や国もさまざまな支援体制を整え、東大と信州大が技術的なアドバイスや提案を 行っていく。計画を発表した阿部守一知事は「本県が森林県から林業県として発進していくための大きなプロジェクト。新しい林業の形を長野県から発信してい きたい」と話す。

 計画によると、県内初の集中型木材加工施設は、製材加工で未利用樹種のアカマツを中心に床材へ加工。国内のほか無垢(むく)の床材需要が高まっている中 国などへの輸出も目指すという。また加工施設から出る端材などを原料に稼働する発電施設は毎時1万キロワットの発電能力を有し、約2万世帯分の電力供給が 可能。売電価格は年間約25億7千万円を予定。原木消費量は加工施設が年間8万~12万立方メートル、発電施設は20万立方メートルを見込む。

 自社だけで50億円を超える資金調達を行う征矢野建材の桜井秀彌社長は「十分採算がとれるプロジェクト。長野県の林業発展のためにも新しい林業のビジネスモデルをつくりたい」と意欲を燃やしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120915-00000512-san-l20

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