Sunday 30 September 2012

メガソーラー発電所建設ラッシュの蔭で、徐々に広がる風力発電所

 固定価格買取制度の施行により注目を集める再生可能エネルギー。メガソーラー発電所の建設ラッシュなどで太陽光発電ばかりが話題に上るが、活発とは言えないものの風力発電所についても各地で建設が始まっている。

 もっとも風力発電所の建設に積極的と言えるのは電源開発(J-POWER) <9513> であろう。9月21日には、100%出資する事業会社を通じて、「南愛媛風力発電所(仮称)」の建設工事を開始したと発表。国内最大級の風力発電機 (2400kW級)9基を愛媛県宇和島市の山林に設置する計画で、四国で最大級、J-POWERにとっては四国で初の大規模風力発電所となるものであり、 平成26年9月の運転開始を目指しているとのこと。さらに9月25日には「上ノ国ウインドファーム」の建設工事開始を発表。北海道では5地点目の風力発電 所となるもので、平成26年3月の運転開始を目指しているという。これによりJ-POWERが国内で手掛ける風力発電事業は20地点、総出力は 400860kWになるという。

 また、住友商事 <8053> の100パーセント子会社であるサミットエナジーは、エンタープライズ秋田と共同で、秋田県男鹿市において28.8MWの風力発電所を新設すると発表。本 年10月に着工し、2014年末の完工を予定しているという。住友商事はこれまでも、茨城県鹿嶋市および山形県酒田市所在の二か所の風力発電所も運営して おり、本件が3件目となる。

 経済産業省資源エネルギー庁が発表したデータによると、再生可能エネルギーによる発電は、2012年度において4月から8月末までに約68万kWが導入 済み。その内の9割以上が太陽光発電となっている。さらに、8月末までに認定を受けた設備容量に関しても、合計130万kWの内72.5万kWが非住宅に おける太陽光発電であり、住宅を含めると100万kW以上であるなど偏重が顕著である。太陽光発電に次いで多いのが風力発電であり、他の再生可能エネル ギーはこの2つと比較すると無いも同然である。しかし、太陽光発電や風力発電などの気候に左右される発電方法ばかりが増加するのは、将来的に大きな問題と なる可能性を孕んでいるであろう。地熱やバイオマスなど、他の発電方法への取り組みが活発になることを期待したい。(編集担当:井畑学)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120930-00000001-scn-bus_all

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