ロシア、原油安の定着と投資低迷が打撃に－ムーディーズ

　（ブルームバーグ）：米ムーディーズ・インベスターズ・サービスによれば、原油安はロシアを苦しめる一因にすぎない。
同社ソブリンリスクグループのマネジングディレクター、イブ・ルメイ氏（ロンドン在勤）は22日のインタビューで、世界的な原油安は長期化する見通しであ り、高い資源依存度と投資の不振が重なり、ロシアは深刻な景気低迷からの回復は厳しいだろうと述べた。ムーディーズによると、ロシアの国内総生産 （ＧＤＰ）の最大４分の１、輸出の３分の２がエネルギー産業関連となっている。

ルメイ氏は「原油価格の低迷が定着するというのがわれわれの見方だ」と指摘した上で、「積極的なインフラ投資や設備の近代化がなければ、ロシアの石油生産が向こう数年で増加する可能性は低く、緩やかに減少する公算がある」とコメントした。
今年は2009年以来のマイナス成長に陥る見通しとなっており、ウクライナ問題をめぐる米国と欧州連合（ＥＵ）による制裁で国際資本市場からの資金調達や掘削技術の輸入が難しくなる中、ロシアは投資不足に直面している。
固定資本投資は１年６カ月連続で減少。ロシア経済発展省は昨年の1500億ドル（約18兆5900億円）超に上る過去最大の資本流出に続き、今年の資本流出も900億ドルに達する可能性があるとの見通しを示している。

原題：Moody’s Says Low Oil Price Here to Stay as Russia Bleeds Capital（抜粋）

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRZ4I46TTDS301.html