Saturday, 30 June 2012

企業が相次ぎ発電参入、原発2基分 再生エネ買い取りスタート

買い取り制度により、企業の発電事業への参入が相次いでいる。経済産業省が買い取り対象として認定した大規模太陽光発電所(メガソーラー)、風力発電所は 6月28日時点で44件で、発電能力は計約4万1600キロワット。同省は今年度中に認定する施設は原発2基分にあたる250万キロワットにのぼると試算 しており、全国の再生エネによる発電能力は現在の計約1950万キロワットから約2200万キロワットに拡大する見通しだ。

 「太陽光発電の普及に向けた歴史的な転換点になる」。太陽光発電協会の片山幹雄代表理事(シャープ会長)は6月29日の会見で、買い取り制度をこう評価 した。同協会では、太陽光発電の累計発電能力が、平成22年度の350万キロワットから、42年度には1億キロワットに拡大し、国内電力消費量の10%を 賄うと予測する。

 発電事業への新規参入が相次ぐのは、再生エネの普及を促すため、政府が買い取り価格を事業者の希望通り高めに設定したからだ。太陽光は発電コストが1キロワット当たり最低約30円と、42円の買い取り料金は大きな魅力だ。

 ローソンは6月29日、平成26年2月末までに全国の2千店で導入すると発表したほか、ヤマダ電機も来年3月までに約300店の店舗の屋上に設置する方 針だ。三井化学は三井物産などと共同で、出力5万キロワットのメガソーラーに加え、6千キロワットの風力発電も建設する。太陽電池メーカーの京セラや シャープも自ら発電事業に乗り出す。

 地熱発電の計画も動き出している。国立・国定公園内での建設を条件付きで認める政府の規制が緩和されたことも追い風となり、出光興産や三菱商事などの9 社連合が福島県で開発調査の意見交換を開始。北海道でも丸紅や石油資源開発がそれぞれ地元合意を前提に調査を検討している。

 ただ、再生エネには課題も多い。太陽光発電は天候に左右され、実際の発電量は発電容量の30%程度。不安定な出力を制御するための設備が必要なほか、風力発電などは適地が限られるため送電網の整備コストもかかる。

 「不安定な電源の出力が落ちた分を補うため火力発電なども必要」(電力会社幹部)となるため、現在の発電所を減らすわけにもいかない。買い取り制度で発電所の普及は一気に進みそうだが、原発に代わる安定的な電源と位置付けられるまでには時間がかかりそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120630-00000588-san-soci

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