Saturday, 30 June 2012

再生エネ買い取り制度の“落とし穴” 発電量が増えるほど消費者負担重く - フジサンケイ ビジネスアイ

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の導入で、企業だけでなく、個人でも太陽光発電などの導入機運が高まっている。発電量が増えれば二酸化炭素 (CO2)の削減など地球温暖化防止への期待も高まる。だが、発電量が増えれば増えるほど消費者の負担が重くなる。電気料金の大幅値上げが消費を抑制し、 景気を冷え込ませる恐れも指摘されている。

 「最初は太陽光発電などの設備投資が拡大し、景気押し上げ効果が大きいが、中長期的には電気料金値上げで家計の購買力が低下してしまう」。今回の買い取り制度についてこう指摘するのは、農協共済総合研究所の古金義洋上席研究員。

 同制度では一部を除き、発電した分を全量買い取る仕組み。買い取り価格が固定されているため、企業や個人は採算を考えながら発電設備に投資しやすくなるが、電力会社が買い取った費用は「賦課金」として電気料金に上乗せでき、普及すればするほど電気料金も上昇する。

 古金氏の試算では、水力を除く再生エネの比率が現在の1%から今後10年間で20%まで増えた場合、初年度で月75~110円の家計の負担額が、10年後には1600円に跳ね上がるという。

 同様の制度で先行したドイツでは、消費者負担は固定価格化した2000年から10年間で10倍以上に増加。このため全量買い取りをやめ、買い取り価格も 段階的に引き下げている。同様に、スペインでも太陽光“バブル”が発生。電力会社の料金を低く抑え、買い取り価格との差額を財政負担している同国政府はこ れに耐えられず、価格引き下げや新規買い取り凍結などに追い込まれている。

 日本でも、買い取り価格は通常の電気料金に比べ割高に設定されている。投資回収を容易にするためだが、再生エネの普及が一気に加速すれば、ドイツやスペインと同様の事態に陥ることも懸念されている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120629-00000009-fsi-bus_all

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