Sunday 13 October 2013

「金の卵」掘り当てるか 宇奈月で温泉発電調査

福島第1原発事 故後、原発を代替する再生可能エネルギーとして注目を集めるのが地熱発電だ。富山県は地下の熱量が国内で北海道に次いで2番目に多く、黒部市の宇奈月温泉 周辺に集中しているとされる。地元ではこのポテンシャルの高さに目を付け、地熱発電の一種「温泉発電」の調査が本格化している。果たして「金の卵」を掘り 当てることができるか。
(黒詰拓也)
 8日、宇奈月温泉街近くのスキー場。温泉発電の地下調査の専門家5人が斜面に登り、コイルと円形状のセンサーを埋めていた。試掘に向け、地質構造を探るためである。
 温泉発電に取り組むのは、地元の自治振興会や温泉旅館協同組合などが加盟するプロジェクトチーム。自然エネルギーを活用して誘客につなげる目的で、町お こしの一環でもある。大高建設(黒部市)が調査主体で三菱マテリアルテクノ(東京)に委託しており、昨年度から経済産業省の助成事業に選定されている。
 これまでの調査では地下約1キロに100度、地下約1・5キロに150度の熱源がある可能性が大きいことが分かったという。17日からは重力探査に移 り、断層や地下水の有無を調べる。来年2月ごろには温泉街の地下構造を判明させ、2015年度までに試掘を始める計画である。最大で約4億円を見込む試掘 費用は国の全額補助となる。
 「全てをクリーンエネルギーで賄う全国初の温泉街にしたい」。チームの代表者である大高建設の大橋聡司社長は意気込みを語る。宇奈月温泉では小型水力発電装置も導入する予定で、既に実験を終えており、温泉発電を加えて「先進的なエコリゾート地を目指す」と鼻息が荒い。
 資源エネルギー庁によると、宇奈月温泉や立山を含む「中部山岳国立公園」周辺の熱量は、最大で200万キロワットの発電能力を持つとの研究結果もあるら しい。志賀原発2号機(出力135万8千キロワット)の約1・5倍に達する規模だ。一般的に地熱発電は再生エネの中でも天候に左右される太陽光や風力より 稼働率が安定しているといわれるが、温泉資源に恵まれた北陸ではまだ一つもない。本当に実現性はあるのか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131012-00067946-hokkoku-l17

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