双葉郡３カ所で太陽光発電 広野の発電所メンテ業者

福島県の双葉郡内にある東京電力福島第一原発事故の旧警戒区域などで、地元企業による太陽光発電の取り組みが始まった。早ければ、年内に発電を開始し、来春までに楢葉町や広野町で合わせて３カ所の発電設備を稼働させる。
　この企業は、原発や火発のメンテナンス、各種プラント関連設備の設計・製作などを手掛けている「エイブル」（佐藤順英社長）。原発事故前は、福島第一原発が立地する大熊町に本社を置いていたが、事故後は広野町にある事務所・工場を本拠としている。
　旧警戒区域は避難指示解除準備区域などに再編され、除染作業が行われているが、住民の本格的な帰還は始まっていない。

　エイブルは地域の再生に向け、遊休地などの新たな土地利用策や振興策の一つとして、太陽光発電の普及を郡内の住民や企業に提案している。今のところ、避 難指示解除準備区域がある楢葉町の２カ所、旧緊急時避難準備区域である広野町の１カ所の合計３カ所で、企業や個人の土地を借り、太陽光発電システムの設置 などの準備を始めた。当面の発電出力は合計約３８００キロワットで、一般家庭の約１０００世帯分の電気を賄える発電量を見込んでいる。

福島民報社

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