Sunday, 24 November 2013

農業用水利用の小水力発電設備が大江山に完成 高校生が製作

福知山市再生可能エネルギー活用調査会の依頼を受けて府立工業高校の生徒たちが製作した小水力発電設備が完成し、設置場所の大江町仏性寺にある小屋で21日、引き渡し式が催された。
 市では、11年の福島第一原発事故によるエネルギー政策の見直しに伴い、再生可能エネルギーの活用を検討するため、1月から調査会を立ち上げ、専門的な研究を進めている。

 その一環として、農業用水路を活用した小水力発電の実証実験を行う目的で、同校に水車を含めた発電設備の製作を依頼。機械プランニング科の3年生6人が取り組んだ。

 生徒たちは4月以降、水力発電の仕組みから学習。夏休みも返上して設計や部品の作成、現地での組み立て作業などすべてを行い、半年以上かけて仕上げた。

 ステンレス製の水車は、直径約2メートル、重さは約170キロある。発電機については、コイルの上を磁石が通過すると発電する原理を利用した「ダイレクトドライブ方式」を採用し、小屋のなかに設置した。

 引き渡し式には、手がけた生徒のうちの5人と松山正治市長、仏性寺の岩松定幸自治会長らが出席。府立工の中道浩副校長から、松山市長に目録が贈呈された。

 あいさつに立った松山市長は「工業高校の優れた技術力に敬意を表したい。また小屋の改修などでは、地域のみなさんにもお世話になった」と、感謝の気持ちを伝えた。
目標は500ワット
 このあと運転を開始。水量が最大値の3分の1程度だったが、水車はゆっくりと回転し始め、出席者から大きな拍手が送られた。水量が少なく目標に設定して いる500ワットに届かなかったものの、353ワットを発電した。機械プランニング科の3年担任、中野保明教諭は「雨が降った翌日などには、目標値に届く のでは」と期待。今後は、同校が発電データの収集と分析を行い、電力の活用方法について地元の人たちと協議していくという。

 製作グループのリーダー、大矢健吾君は「ひとまず、無事に稼働して安心しました。苦労して作り上げたので、目標を達成してくれたらうれしい」と話していた。
両丹日日新聞社

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131122-00010003-rtn-l26

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