Sunday, 12 January 2014

<EU>「40%以上」有力 温室ガス削減目標

【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)が、今月下旬に発表する新たな温室効果ガス削減目標について「2030年に1990年比で少なくとも40%減」 にする公算が大きくなっている。
独仏伊の担当大臣が「少なくとも40%」とするよう執行機関・欧州委に要請文を送ったほか、欧州議会の委員会も9日に支持 の決議を行った。15年に合意を目指す京都議定書に代わる新たな枠組みで主導権を握る狙いがある。焦点は、再生可能エネルギーの量や省エネ目標値を義務化 するかどうかに移っており、22日の欧州委の発表が注目される。

 EUが「90年比40%」の目標を設定すれば、20年に90年比3.1%増(20年までに05年比3.8%減)の“増加目標”を掲げた安倍政権への国際的批判がさらに厳しくなる可能性もある。

 EUは20年に90年比20%減とする目標を掲げ、ほぼ達成する見込みだが、目標を一挙に倍にする。

 独仏伊とオーストリア、デンマーク、ブルガリア、アイルランド、ポルトガルの担当相は先月23日付でヘデゴー(気候変動担当)とエッティンガー(エネル ギー担当)の両欧州委員に要請文を送り、「欧州のエネルギー輸入依存を減らし、(再生可能エネルギーへの)投資を促す」ために、温室効果ガスの削減目標を 「30年までに90年比で少なくとも40%」にするよう求めた。

 地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)は、先進国だけに温室効果ガス削減義務を定めた京都議定書に代え、新興国や途上国 も参加する新枠組みをつくり、準備できる国は自主的に決定した20年以降の削減目標を15年3月までに国連に提出することに合意している。ドイツのガブリ エル経済・エネルギー相はEU新目標の意図を「早期に明確で野心的な目標を示すことで主導的な役割を果たす」ことにあるとしている。欧州議会のエネル ギー、環境などの合同委員会も9日、40%目標を支持する決議を採択した。

 ただ、現在の「20年に90年比20%減」の目標は義務で、エネルギー総消費量の20%を再生可能エネルギー由来にするなどの具体策もあるのに対し、 「40%目標」を義務化するかどうかはポーランドなど加盟国内に異論がある。欧州議会は省エネ目標など具体策も義務化するよう求めているが、原発の廃止か 維持かで各国の対応は割れており、目標達成は各国の自主的な取り組みの積み上げになる可能性もある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140110-00000098-mai-int

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