Sunday, 26 January 2014

トヨタの5倍の利益率も!実は儲かっているシェール関連企業


   写真:ダイヤモンド・オンライン
 【今回のまとめ】
1.シェール関連企業の大部分は、現在の天然ガス価格でも利益を出している
2.シェールガスの生産調整は完了し、天然ガス価格は既に上昇基調にある
3.天然ガス輸出施設が稼働しはじめると需給関係は一層改善すると見込まれる
4.大企業でもノウハウが無ければシェール開発では成功出来ない

● シェール関連企業が赤字というのはウソ

 アメリカでシェールガス開発ブームが起き、天然ガスの価格が急落したので「シェール関連企業は赤字なのではないか? 」という事が言われています。

 結論から先に言えば、そんなことは決してありません。シェール関連企業の大部分は儲かっています。

 下は主要シェール関連企業の去年(2013年)の一株当り利益と純利益マージンの一覧表です。

 この表からも分かる通り、大部分のシェール関連株は儲かっています。比較のために言うと、例えばトヨタ自動車の2013年の純利益マージンは6.8%です。大半のシェール企業はトヨタとは比べものにならない利幅で儲かっているのです。

 シェール企業で最も時価総額の大きいEOGリソーセズ(ティッカーシンボル:EOG)の株価チャートは下のようになっています。

● なぜシェール関連企業は潰れなかったか? 

 そこでシェール関連企業がここ数年、どう経営されてきたかを振り返りたいと思います。
 まず過去の米国の天然ガスの指標銘柄であるヘンリーハブのスポット価格チャートをお見せします。

   シェールガス開発ブームで需要と供給のバランスが崩れ、2012年に一時2ドル以下まで価格が下がった局面でも、上記の大半のシェール関連企業は黒字でした。

 天然ガス価格が低迷すると業者はシェールガスではなくシェールオイルの生産にシフトしました。下は北米の油井の稼働本数を示したグラフですが、天然ガス井が休止し、逆にシェールオイル井が増加したことがわかります。

   つまりアダム・スミスの「見えざる手」の原理が働き、自然に業者は「もっと儲かる方へ」シフトして行ったのです。

 なお天然ガス価格は2012年8月を大底に現在上昇局面にあります。生産調整が完了している以上、ここから大きく天然ガス価格が崩れると考えるのは不自然です。現在、米国の天然ガス価格は$4.33ですが、この水準なら各社は余裕で利益を出す事が出来ます。

 一方、米国内での石油の供給は増産によりだぶつき気味になっています。シェールオイルのリグ本数が1400本辺りで頭打ちになった一因はここにあります。

● シェールガス輸出基地が稼働すれば市況は回復する

 米国で最初の天然ガス輸出施設は建設費用120億ドルを投じてメキシコ湾岸に造られているサビンパスLNG輸出基地です。

 サビンパスの建設費用、ならびにLNG船で日本まで輸送する船賃等、全てのコストを含んだ日本向け天然ガス価格は$11.22程度になると見られています。これは日本がカタールから買っている$16.3より遥かに安いです。

 完成は2015年末を見込んでおり、現在、4つのトレイン(処理施設)のうち最初の2つのトレインの50%が完成しています。

 この輸出施設が完成すればこれまで米国内で持て余していた天然ガスが輸出できるようになるので、天然ガスの需給関係は一層改善すると思われます。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140125-00047432-diamond-bus_all

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